これまで単純な文法問題からスタートしていたのが、昨年度から長文の穴を埋める形式で文法事項を問うものに変わった。今年度も前年度と同じ形式を維持したものになっている。
だが、英文の内容は昨年度より難化しており、昨年度は純粋に文法の運用力を問おうという意思が感じられたが、今年度はそれ以外に文脈に合わせて解答を選ぶ問題もあり、いい加減な読み方では苦戦したのではないだろうか。
例えば、andやbutという等位接続詞が何と何を結び付けているのか、そしてある動詞が過去形なのか過去分詞形なのか、そういった点が判断できないと、読解のカギを握る英単語(これが何かをここで書いてしまうと過去問をやるとき実力以上の結果が出るだろうから敢えて言わない)の類推も難しかっただろう。その意味で、1文1文丁寧に、品詞と文型をもとにした日ごろからの精読の練習は欠かせない。
さて、今回その読解のカギとなる単語は頻出とは言えない単語であった。であるから、いっそう正確な文法力を駆使してその単語に迫る必要があったのだが、逆にその単語は知っていれば楽だろうと思い、単語帳を調べてみた。
塾用単語帳
歩実塾では扱ってないが、大手塾とか採用しているかもしれない。
だが、上に示したどの単語帳にも、その単語は載っていなかった。
英検用単語帳
英検用の英単語帳である「パス単」と「文で覚える英単語」、これの2級と準2級の計4冊を見てみると、これまたどれにも記載なし。
市販 高校受験向け単語帳
世界一わかりやすい中学英単語は「難関高校対策編」と副題がついているので期待したが、結果はなし。その他2冊も掲載なし。
こうなるとやはり、その英単語は「類推せよ」という高校からのメッセージなのかなとも思うが、さらに大学入試向けのうち、基礎的なものを扱う英単語帳を調べてみた。
市販 大学受験向け単語帳(基礎)
先に言っておくと、大学受験でよく使われている「ターゲット1900」や「システム英単語」、「速読英単語標準編」には載っているのだが、だからといって慶應義塾高校の受験にはこの英単語帳をやれ、というのはオーバーワーク。
やるとしても1つレベルが下のものかなと思い、上の画像にある9冊を調べてみた。
このうち、「データベース3300」「スパルタ1」「英単語ターゲット1200」には記載はなく、のこりの「ストック3000」「システム英単語ベーシック」「英単語ターゲット1400」「速読英単語入門編」「Duo Select」「百式英単語」には載っているという結果に。
なお、好みを言わせてもらえば、Duo Selectが一番好きだ。単語帳は、単語の羅列、単調で面白みがないというイメージがあるが、「ストック3000」は記憶ブースターという読み物がついていておもしろいと思う。でも、結局は覚えないと意味がないよね、という人には「百式英単語」だろう。絶対に忘れないやり方が80ページほども書かれている。
ちなみに歩実塾の早慶附属コースでは英単語はオリジナルの英単語プリントと「速読英単語入門編」をここ数年やっているので、今回のキーワードは網羅していたことにはなる。
なかなか初っ端からぶっ飛ばしてくれる慶應義塾高校の入試問題ではあった。