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さて、大トリを務める大問4の分析です。
大問1〜3が比較的解きやすい構成だったため、第4問にある程度時間をかけることも可能でした。
とはいえ、この第4問は内容が濃く、じっくり読もうとすればするほど時間がかかるため、多読の習慣がない生徒にとっては、時間切れのリスクも十分あったでしょう。
内容としては、心を動かす良問長文。
家族の間で長年語られなかった“あること”をめぐり、兄妹と両親が向き合っていく物語が描かれました。
言い出せない思いと、それを見守る家族の揺れ動く心。少しずつ距離が縮まっていく過程が、静かに、しかし確かに胸を打つ文章で、正直なところ、読んでいるうちに設問の存在を一瞬忘れてしまうほど、内容そのものが深く心に残る、味わい尽くしたい一題だったと言えます。
「読む力」だけでなく、「感じ取る力」そのものを試されていたように思います。
✅ 設問の構成と解きやすさ
読めてしまえば、という前提ですが、
設問Aにある14問は、丁寧で素直なものが多く、選択肢も明確で、比較的取りやすいと感じられました。
設問Bは実際に本文の読解ができなくても、文法的に答えは出せました。
設問Cの自由英作文は「あなたが友人だったら何と声をかけるか」というテーマで、読解の積み重ねがなければ書けない設問になっており、内容理解・共感力・表現力の三拍子が求められ、これをスラスラ書けた生徒は相当な実力の持ち主といえるでしょう。
☆設問AとBの全18問のうち、14~15問は得点したかったところです。
✅ 文構造にも注目したいポイント多数
内容の魅力に目を奪われがちですが、構文的にも見逃せないポイントがいくつか存在します。
たとえば:
I had never heard my brother voice an attraction to women.
この文では “voice” が動詞として使われており、「気持ちを言葉にする」という意味を持っています。
中学生の学習では、“voice” は「声」「意見」といった名詞で覚えることが多く、このような動詞用法には戸惑うかもしれません。
しかし、文全体をよく見ると、先行する “heard” は「聞いた」という知覚動詞であり、“my brother voice an attraction” の部分はその目的語+動詞(原形)という構文になっていると考えると、“voice” は動詞の原形として使われていることが分かります。
“voice” を動詞ととらえることで、“an attraction” をその目的語とする構造が明確になり、文全体が自然に読み解けるようになります。
これ以外にも説明したい箇所はあるのですが、割愛します。授業で扱うときのお楽しみとして。
✍️ 最後に
内容を丁寧に読み取る力、心の動きを感じ取る力、そしてそれを自分の言葉で表す力。
この大問では、そのすべてが問われていました。
語彙や構文には決して易しいとは言えない部分もあり、表面的な読解では太刀打ちできません。
だからこそ、日頃から“正確に読む力”と“考えながら読む姿勢”を大切にしていきましょう。
英語を通して人の気持ちや背景に触れられたとき、そこにほんとうの力が育ち始めているのかもしれません。