「○○が苦手なんです」と口にする生徒がいる。
だが、それはただの現状報告に過ぎない。問題はその後だ。苦手なら、徹底的にやるしかない。人より多くの時間をかけ、人より多くの演習を重ね、わからなければ納得するまで質問して、自分の頭で理解を積み上げていくしかない。
苦手克服とは、そういうものだ。
ところが実際には、多くの生徒がその「当然の努力」をしていない。
やっていると言いながら、どこかで甘さが残っている。問題集を一周した程度で「頑張った」と言い、間違えた問題を放置したまま先へ進み、分からない部分を誰にも聞かずにそのままにしている。要するに取り組み方が浅い。
作業感満載。
だからいつまで経っても「苦手」は「苦手」のままだ。
本気で何とかしようと思ったら、自然と行動が変わるはずだ。机に向かう時間も増え、質問にも来るようになる。間違えた問題は何度も繰り返し、自分の弱点を潰していく。そうして初めて、少しずつ「できる」に近づいていく。
そうした努力もせずに、「○○が苦手で……」とだけ言い続けるのは、正直甘えだと思う。
苦手を克服する道は一つしかない。
逃げずに、真正面からぶつかり続けることだ。