今日の課題の1つはこれ。
She accepted the fact that she had made a mistake, realizing that admitting it was the first step to improvement.
🔷前半:「the fact that ~」の構造を読む
◆Step1:まずは文の骨格を見抜く
英文の出だし:
She accepted the fact that she had made a mistake.
ここでの主語(S)は She、動詞(V)は accepted。「彼女は〜を受け入れた」という第3文型(SVO)の形だ。 問題は何を受け入れたのか。
それが目的語である:
the fact that she had made a mistake
このときの that が曲者。関係代名詞か?接続詞か?と戸惑う生徒が多い。
◆Step2:「that」は関係代名詞?接続詞?
まず前提として知っておきたいのが、「名詞+名詞(節)」の形になっているとき、後ろの名詞が前の名詞を説明する、または言いかえる関係になっていることがある。これを同格関係という。
たとえば:
- my friend Tom(私の友達のトム)
- the idea that everyone is equal(すべての人が平等だという考え)
このように、that以下が前の名詞の内容を説明しているとき、that は接続詞(同格のthat)として働いている。
では、それと関係代名詞の違いは?
見分けるポイントは1つ。「that節の中が完全な文かどうか」。
✅ 比較してみよう:
- the fact that I know him → “I know him” は主語・動詞・目的語あり → 完全な文 → 同格のthat
「私が彼を知っているという事実」 - the fact I know → “I know” は目的語が抜けている → 不完全な文 → 関係代名詞のthat
「私が知っている事実」…どんな事実なのかは分からないまま。
この違いが分かれば、どちらかで迷わずに済む。
◆今回の文では?
that she had made a mistake
- 主語:she/動詞:had made/目的語:a mistake → 完全な文
➡ よって、この that は 同格のthat。 ➡ 「彼女が間違いを犯したという事実」
したがって、ここまでの文構造は:
- 主語:She
- 動詞:accepted
- 目的語:the fact that she had made a mistake
ここまでで「彼女は自分が間違いを犯したという事実を受け入れた」となる。
🔷後半:「realizing ~」と「admitting ~」の構造を読む
英文の後半:
realizing that admitting it was the first step to improvement
カンマのあとに ing形が出てくるこの形、非常によく出てくるが、その働きをきちんと見抜けているだろうか?
◆SV〜, …ing の形は?(文末に続く分詞構文)
「主節(SV)」のあとに「カンマ+ing」で続く形は、典型的な文末分詞構文である。 この分詞構文は、文全体に「意味を付け足す」ような役割を持つ。
🔹 同時進行の例:
She walked through the park, listening to music.
→ 音楽を聴きながら、公園を歩いた。
🔹 結果・付け足しの例:
He finished the test, leaving the room quietly.
→ テストを終え、そして静かに部屋を出た。
➡ 今回の文では「受け入れた。そして気づいた」という流れなので、「付け足し」の意味で訳すのが自然だ。
◆realizing が分詞構文だと分かる理由
realizing は一見、動名詞のようにも見えるが、以下の理由から分詞構文と判断できる:
- 前の文(She accepted the fact…)が SVO の第3文型で完結しており、realizing を補う余地がない。
- 目的語でも補語でもなく、形容詞的にも名詞的にも働いていない。
- カンマが前にある。
- 主語(She)と動作主が一致している。
これらすべての条件から、これは文末分詞構文。 ➡ 訳は「そして気づいた」
◆realizing の目的語:that節の構造を読む
では「何に気づいたのか?」というと、それが続く that節の中身:
that admitting it was the first step to improvement
この that は 接続詞であり、realizing の目的語となっているのではと考えるのが自然だ。
➡ 「それを認めることが改善への第一歩だった、ということに気づいた」
◆admitting は動名詞
この that節の中で出てくるもう一つの ing形が admitting。
admitting it was the first step to improvement
この admitting は「〜すること」という意味で使われており、that節内の主語として働いている。
- 主語になれるのは名詞のみ
- 動詞 admit を名詞化したのが admitting(動名詞)
- it はその admit の目的語 → 「それを認めること」
文構造としては:
- 主語:admitting it
- 動詞:was
- 補語:the first step to improvement
➡ 「それを認めることが、改善への第一歩だった」
🔶最終訳
She accepted the fact that she had made a mistake, realizing that admitting it was the first step to improvement.
👉 彼女は、自分が間違いを犯したという事実を受け入れ、 それを認めることが改善への第一歩だと気づいた。
✅全体まとめ
◆前半:同格のthat
- that以下が完全な文なら ⇒ 接続詞(同格のthat)
- 名詞の中身や内容を説明するはたらき
- ポイント:that節が完全かどうかで判断
◆後半:分詞構文と動名詞の識別
- realizing:文末に置かれ、主語と一致 → 分詞構文
- admitting:that節の主語として登場 → 動名詞
- ingの見分け方は「形」ではなく「文中での役割」
英文を読み解くときには、「文型」「構文」「品詞のはたらき」を意識するだけで、複雑な文もクリアに見えてくる。
「ただの長い文」から「論理的な構造を持った英文」へ。そんな読解の力を少しずつ育てていこう。