映画『国宝』には、主人公・喜久雄が神社で願掛けをする場面がある。
そこで彼は、「もっと歌舞伎が上手くなるように、悪魔と取引をした」と語る。
神社という神聖な場所であえて“悪魔”を持ち出すことで、芸にかける狂気的な覚悟が際立ってくる。
一つのことを成そうとすると、必ず何かをあきらめざるを得ない。
そこで何を差し出すのか―これを見れば、その人が本気かどうかがわかるのだ。
映画にあったのは芸の道にすべてを捧げる覚悟。
普通の人間らしい幸福を犠牲にしてでも追い求める、その情熱。
では、受験生の君に問いたい。
「成績を伸ばすために、何を差し出せるのか」
遊びの時間か、スマホか、だらだらする習慣か。それとも“楽して受かりたい”という甘えた気持ちか。
中3なら、受験に向けて、この時期から“何をやめるのか”。
中1・2なら、定期試験前の2週間だけでも、“これだけはやめる”と決めてみる。
そんな小さな取引が、君の覚悟を形にするはずだ。
どれだけのものを差し出せるか―
それがそのまま、力になる。
結局のところ、勉強も同じ。
「悪魔との取引」に近いほどの覚悟を持って勉強に向かえるかどうかで、結果は決まる。
その覚悟を持っている人間が、どれほどいるのだろうか。
少なくとも、歩実塾にはいてほしい。