書くことで強くなる ― 言語化の力 ―

メジャーリーグの山本由伸投手。
今日、ワールドシリーズで完投勝利を挙げるという快挙を成し遂げた。
記者会見では試合中、ベンチでひとりノートにペンを走らせている姿が話題になっている。
今や多くの選手がタブレットで映像を見て分析する時代。
それでも山本選手は「作戦面のことを自分の言葉でノートにまとめている」と話す。

―自分の今後のプレーを言葉で整理する
その習慣が、彼の強さを支えているというのだ。


◆ 勉強も同じ。「言語化できる人」は強い

歩実塾でも、生徒には毎日の「振り返りノート」を書いてもらっている。
でも、それは単なる“今日も頑張った”の記録ではない。

「今日は集中できた」「明日は数学を頑張る」―
このレベルで終わってしまえば、ただの感想だ。

それで明日、何がどう変わるのか?
具体的な行動に結びついていなければ、言語化とは言えない。

たとえば、

「計算ミスが多かった → 式を書く前に問題文を声に出して読む」
「図形の問題が苦手 → 次は教科書の例題だけを10分でやり直す」

こうした次の行動につながる言葉こそ、本当の“言語化”だ。
山本選手が「相手打者の傾向」や「次に使う球種」を具体的に書くように、勉強でも自分の課題を言葉で可視化する必要がある。


◆ 書くことは考えること

手を動かし、書きながら考える。
「なぜできなかったのか」「何を変えればいいのか」。
これを言葉にしようとする過程で、思考が深まる。

頭の中でぼんやりしていたものが、ノートの上に出てくると、
「自分は焦っていた」「理解が浅かった」といった本当の原因に気づける。

スマホの入力よりも、ペンで書く方が記憶にも残る。
山本選手があえてノートに手書きするのは、まさに“思考の定着”のためだろう。


◆ 結果よりも「思考の軌跡」を残す

山本選手は「毎試合、必ず書いている」と語る。
勝った日も、打たれた日も同じように。

それは、結果ではなく自分の考え方の記録を残しているからだ。
勉強も同じで、テストの点数より、
「どう考え、どう修正したか」を書いておくことの方がずっと価値がある。


◆ まとめ:「書く人は変わる」

「明日は頑張る」ではなく、
「明日は何を、どう変えるのか」。

それを言葉にできる人が、伸びていく。
頭の中で思っているだけでは、何も変わらない。
ノートに書くことで、思考が現実の行動に変わる。

山本由伸がノートを開くように、
生徒たちも今日、自分のノートを開いてほしい。

“言葉で考える人”こそ、確実に強くなる。

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