「テキスト、もうやりました!」
そう言う生徒がいる。
だが、私は聞き返す。
「じゃあ、その問題、今ここでやってみて。」
すると、手が止まる。
つまり「やった」とは言っても、「できる」ようにはなっていないのだ。
歩実塾に、こんな言葉が貼ってある。
テキストを「やった」「終わった」とは一通り解いたという意味ではなく、
そこに載っている問題であれば、いつなんどき出題されても正解が出せることを言う。
一問でもできない問題があれば、それは「やっている途中」という。
勘違いするな。
この文には、勉強の本質が詰まっている。
「解いた」だけで満足しているうちは、成績は動かない。
「できる」までやり切って、初めて“勉強した”と言える。
どんな教材にも、成績を上げる力がある。
問題は、生徒がその教材をどの段階まで仕上げたか、だ。
「やったつもり」の山を積み上げても、何も変わらない。
「完璧にできる」教材を一冊つくる方が、はるかに強い。
「やる」ことより、「できる」ことにこだわれ。
“やって終わり”ではなく、“できて終わり”。
それが、歩実塾の定義する「勉強」だ。

