入試が近づくと、不思議なことが起きる。
それまで見向きもしなかった教材や問題集に、急に目がいく。
「あれもやったほうがいいかもしれない」
「こっちの方が当たるかもしれない」
―だいたい、この思考が始まったとき、勉強は崩れ始めている。
教材は「増やす」ほど弱くなる
入試直前期にやるべきことは、
新しいことを増やすことではない。
絞ること。
これまで使ってきた教材の中から、
「なじみのあるもの」だけを残す。
あれこれ手を出すと、どれも中途半端になる。
理解も、記憶も、精度も、すべてが浅くなる。
尖れ。
教材を絞ったら、次は尖らせる。
・よく間違えるページ
・毎回引っかかる単元
・「分かったつもり」で放置してきた問題
ここを徹底的に叩く。
広くやる必要はない。深くやれ。
同じ問題を何度も見る。
答えを見た瞬間に「なぜそうなるか」が言えるまで。
そして、突き抜けよ。
直前期に点数を伸ばす生徒は、例外なくこれをやっている。
- 教材は少ない
- だが、完成度が異常に高い
「この教材なら負けない」という感覚を持っている。
逆に、直前期に不安で教材を増やす生徒ほど、
本番で軸がぶれる。
入試は“新しさ”では決まらない
入試本番で問われるのは、
「どれだけ新しい問題を見たか」ではない。
どれだけ自分の武器を磨いたかだ。
手を広げるな。
教材は絞れ。
そして尖れ。
そして突き抜けよ。
直前期とは、そういう時期だ。

