準備を失敗することは、失敗を準備すること

昨日、バスケットボールのウィンターカップは
福大大濠高校の優勝で幕を閉じた。

その優勝を伝える記事の中に、強く印象に残る言葉があった。

「準備を失敗することは、失敗を準備することだ。」

調べてみると、この言葉は
ベンジャミン・フランクリン の言葉として知られている。

By failing to prepare, you are preparing to fail.

勝者の言葉としてこれが紹介されていたことに、妙な説得力があった。


テスト前、入試前、模試前。
結果がうまくいかなかったとき、人はこう言いがちだ。

「緊張してしまって」
「時間が足りなかった」
「本番の空気にのまれた」

だが、本当にそれが原因だろうか。

冷静に振り返れば、多くの場合、
問題はもっと手前にある。

・演習量が足りていなかった
・弱点を把握したまま放置していた
・直前なのに新しいことに手を出していた
・時間配分を一度も本気で練習していなかった

つまり、準備の失敗である。


準備とは、単に「勉強時間を取ること」ではない。

何を
どこまで
いつまでに
どのレベルまで仕上げるのか。

そして何より、
本番と同じ条件で、それを再現できる状態にしておくことだ。

たとえば、
試合前に作戦ボードだけを眺めて
実際の動きを一度も確認しないチームが
本番で噛み合うだろうか。

机の上で「分かったつもり」になっている勉強も、
それとまったく同じだ。


本当の準備とは、

・なぜ間違えたのかを言語化する
・自分の弱点を具体的に特定する
・普段使っているテキストに戻り、そこを埋め直す

この作業を、地味でも逃げずにやり切ることだ。

逆に言えば、
準備を雑に済ませるということは、

「本番で失敗してもおかしくない状況を、あらかじめ整えている」
ということに他ならない。


ウィンターカップのような大舞台で勝つチームは、
才能や勢いだけで勝っているわけではない。

・うまくいかない展開をどこまで想定していたか
・崩れたときの立て直しをどれだけ練習していたか

そうした準備の差が、最後の一本、最後の一分で表に出る。

入試も、まったく同じだ。


準備を制する者が、本番を制する。
準備を失敗する者は、失敗を準備している。

福大大濠の優勝を伝える記事に、
この言葉が添えられていたのは象徴的だった。

勝者ほど、準備の重要性を知っている。

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