人は意識で動かない。環境で動く ── 勉強も努力も「場づくり」から始まる

やる気がないんじゃない。環境がそうさせているだけ

「意識を使って意識を変えようとするな。
生活環境を変え、これによって自分の意識を変えようとしろ。」

——これは、ある中学生の体験から生まれた実感だ。

彼は、学校でも塾でも成績上位。部活では副キャプテンとして責任も果たしていた。
周囲からは「しっかり者」と言われ、本人もそれなりに自信を持っていた。

でも、あるとき限界が来た。
やることが多すぎる。時間が足りない。誰からも期待されて、自由がない。
そう感じた彼は、ある日すべてを手放した。
塾をやめ、部活をやめ、課題も最低限にとどめて、自分の「やりたいことだけをやる」と決めた。

スマホ、ゲーム、動画、夜ふかし、だらだらとした毎日。
最初は自由を満喫していたが、1週間もすると何もやる気が起きなくなった。
机に向かえない。朝起きるのがつらい。人と話したくない。
「好きなことをしているはずなのに、何も満たされない。」

——そこでようやく気づいた。

頑張れていたのは、自分の意識の強さではなかった。
塾で切磋琢磨する仲間の存在、部活での役割、時間に制約のある生活——それらの「環境」が、意識を支えていたのだ。


「意識」が先ではなく、「生活」が先にある

マルクスとエンゲルスは、共著『ドイツ・イデオロギー』の中でこう述べている。

「人間の意識がその存在を規定するのではなく、むしろ人間の社会的存在がその意識を規定するのだ。」
“Es ist nicht das Bewusstsein der Menschen, das ihr Sein, sondern ihr gesellschaftliches Sein, das ihr Bewusstsein bestimmt.”
(Marx & Engels, Die deutsche Ideologie, 1846)

この思想を現代の生活に置き換えるなら、こう言えるだろう。

「やる気や考え方が生活をつくるのではない。生活や環境が、やる気や考え方をつくっているのだ。」


「やる気が出ない」のは、自分のせいじゃない

スマホが常に手元にある部屋、
何をやるかも決めずに過ごす毎日、
誰からも監督されない環境——

そんな生活が、あなたの意識を静かにむしばんでいく。

「やる気が出ない」「集中できない」と言う前に、
まずは環境を疑うべきだ。


意識を変える一番堅実な方法

努力を「気持ちの問題」にしてはいけない。
自分を変えたければ、まず生活を変えること。
これが、「意識を変える」いちばん確実で、いちばん堅実な方法だ。


歩実塾は、努力できる「環境」を用意しています

歩実塾では、努力が継続できる環境を用意している。
やる気があるかどうかではなく、
やる気が出る場所にいるかどうかが、人生の分かれ道だと信じている。

もし今、勉強に伸び悩んでいると感じるなら、
それはあなたの意識が弱いのではなく——「環境」が整っていないだけかもしれない。

そして、こう言い切りたい。


「自分を変える覚悟」よりも先に必要なのは、「自分を変えられる場所」に身を置く覚悟だ

と。

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