勉強を見ていて、よくあるパターンがこれだ。
「意味がわからないから、覚えられない」
「ちゃんと理解してからじゃないと、不安です」
もっともらしく聞こえるが、それはただの言い訳にすぎない。
たしかに、理想を言えば「理解してから覚える」のがいちばんだ。だが、現実はそんなにスマートに進まない。理解できないから覚えない、という態度こそが、いちばんの悪手だ。
特に理科や社会、英語の文法では、「とにかく一度覚えてみる」ことが、あとから理解に結びつくケースは多い。語句を覚え、パターンを叩き込み、何度も見ているうちに、「そういうことか」と腑に落ちる。理解は、後からやってくることがあるのだ。
そして、これは数学もまったく同じだ。
たとえば公式や解法のパターン。意味や証明がすぐに理解できなくても、まず使ってみる。真似して手を動かす。それを繰り返すうちに、考え方の流れや理由がだんだんと見えてくる。逆に、「理解できないから、やらない」で止まっていると、ずっと立ち往生したままだ。
覚えなければ、問題にも触れられない。触れなければ、理解のきっかけすら得られない。
まずは黙って覚えること。問題を解いてみること。
文句は、そのあとだ。
それが、勉強というものだ。