接触頻度を増やせ

どんなに一度しっかり覚えたつもりでも、人の記憶は放っておけば驚くほど早く消えていく。
英単語100個を覚えるとして、1日10個ずつ10日でやり切ったとしよう。10日目のあなたは、最初の10個を覚えているだろうか? おそらく半分も危ういはずだ。
単語100個を10日間繰り返したほうがいい。

また、たとえば社会の「近代史」が苦手だからと、そこばかりを集中して勉強したとする。ところが気づけば、「中世」「古代」の内容をまったく思い出せなくなっている――そんな経験は誰にでもあるだろう。

人間の記憶というのは、接触しなくなった瞬間から急速に薄れていくようにできている。
だからこそ、「ときどき目に入れる」「少しでも触れる」という行為が決定的に重要だ。


“少しずつでも”が効く理由

勉強は「長くやった時間」よりも、「どれだけの頻度で触れたか」がものを言う。
たとえ1日5分でも、毎日英単語帳を開く人のほうが、週末に2時間まとめてやる人よりも確実に定着する。
なぜなら、脳は“最近見た情報”を優先的に保持する仕組みになっているからだ。

いわば、記憶は「会っていない友人」と同じ。
久しぶりに会うと名前をど忘れしたり、話題が噛み合わなかったりする。
でも毎日顔を合わせる人のことは忘れようがない。勉強もまったく同じだ。


教科を絞りすぎない

「苦手克服」に固執しすぎると、他の教科や分野に触れる頻度が下がってしまう。
その結果、苦手は少し克服されたとしても、全体のバランスが崩れる。
1日の中で少しずつ、主要科目すべてに目を通すようにすること。
“触れ続ける”だけで、驚くほど忘れにくくなる。


頻度が、思考の土台をつくる

接触頻度が多いほど、知識は確実に積み重なっていく。
そして、それがやがて「考える力」の土台になる。
記憶というのは、ただの暗記ではなく、思考の材料だ。
材料がいつも手元にある状態をつくること―それが勉強の基本だったりする。


だからこそ

1日10分でもいい。
ほんの数ページでもいい。
すべての教科に“少しずつ触れる”ことを意識しよう。
それだけで、記憶の地層は確実に厚くなっていく

問:オレンジで引いた箇所はどういうことか、分かりやすく答えよ。
明日聞くからそのつもりで。

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