自学中の子に、「ほかの教科を優先したほうがいいんじゃない?」と声をかけると、
その瞬間に、今やっていた教科を中断して、言われたほうに移る子がいる。
だが、それは本当の意味での“自学”とは言えない。
「今のこの時間はこれをやる」
「この時間はこれをやらなければいけない」
そうした信念のもとに学んでいるなら、
ちょっとした言葉で方向を変えたりはしないはずだ。
むしろ、
「今言われた教科は○時からやる予定です」とか
「もうすでにやっています」
と、きちんと説明できるのが“考えて動く生徒”だ。
自学とは、単に机に向かうことではない。
全体像を把握し、現状を分析し、優先順位を立てて、
やるべきことを粛々と積み上げていく姿勢のことを言う。
あれもこれもと気分で動く“ふらふら運転”では、
積み重なるはずの実力も積み重ならない。
勉強にも、信念を。
今日何をどうやるかを、自分の頭で決めて動ける者こそ、
本当の意味で強い。

