志望校が決まっていない。
将来のイメージも特にない。
この状態で取り組む勉強は、いわば 行き先のわからない電車に乗せられているようなものだ。
大人は「勉強しておけば未来は明るいよ」と言うが、
本人からすれば、どこに向かっているかもわからないまま座らされているだけだ。
少し疲れれば「もう降りたい」と思うのも無理はない。
これでは、勉強が前向きになるはずがない。
一方で、勉強のスイッチが入る瞬間というのは、ふとしたところに転がっている。
誰かのひと言に心が動いたとき。
動画で見た学校の雰囲気が妙に印象に残ったとき。
イベントや行事に参加して、現実の高校生の姿を目にしたとき。
人によってきっかけは違うが、
自分で「ここに行きたい」と思えた瞬間、勉強はまったく別のものになる。
行き先がはっきりした電車に乗るように、
多少揺れても踏ん張れるし、努力に意味を感じられるようになる。
だから私は、
中3になる前に一度は高校のイベントに足を運んでほしい
と強く思っている。
文化祭でも、説明会でも、部活の発表でも何でもいい。
“現実の高校”に触れた経験は、たった1回でも、驚くほどの刺激になる。
机の上の勉強が、初めて“未来につながる行動”として実感できるからだ。
目標は押しつけるものではない。
自分で選んだときにこそ、強いエンジンになる。
今年も、中3以外のご家庭から刺激を受けたとの報告をいただいた。
生徒それぞれが自分の“行きたい未来”を見つけ、
そこに向かって突き進んでいけるのを全力で支えていきたい。

