世に「わかりやすい授業」を求める声は多いようだ。
そして、わからないことがあればすぐに教えてくれるという体制が整っているとなお良し。
こういうことを全面的に押し出している塾は結構ある。
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さて。
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分かりやすい授業を展開し、わからないところがあればすぐに教えてくれる、そんな塾。
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成績上がっていますか?
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思うに、その手の塾は「成績」は上がらないことが多い。
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なぜなら、生徒に「考える」ことを要求していないから。
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君たちは難しいことをいちいち考えなくていいんだよ。
代わりに全部わかりやすくかみ砕いてあげるからね。
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だから、生徒はこう思うのだ。
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「楽だ~~」「楽しい~~」
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だって、ぜーんぶ先生がやってくれるもの。
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このようにして
成績は上がらないけど、塾は大好き
という生徒ができあがる。
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麻薬みたいなものだが、
この危うさに気づくのはだれだろう。
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少なくとも生徒本人ではない。
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そう、気づいてあげるべきは親なのだ。
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それなのに、子供が楽しいって言っているからそれでいいんじゃないと気にしないケースもある。
麻薬なのに。
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それは何かを放棄しているのだが、わからない人にはわからないのだろう。
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『「わかりやすく教えれば、教えた内容が学び手の脳に移植されて定着する」という考えは幻想であることは認知心理学の常識』であるとのこと。今井むつみ「英語独習法」に書いてあった。