「努力しています。」
この言葉は、たしかに立派だ。
だが、ときどき思う。
努力は、夢中を超えない。
もちろん、努力を否定したいわけではない。
努力は必要だ。間違いなく必要。
ただ、“努力している状態”というのは、どこかで「頑張っている自分」を意識していることがある。
「今日は3時間やった」
「こんなに解いた」
「ちゃんと机に向かった」
それ自体は悪くない。
だが、本当に伸びる子を見ていると、少し違う。
そういう子は、“努力している”という感覚すら薄い。
気づけば時間が過ぎている。
もう1問だけ、と続けてしまう。
間違えた問題が悔しくて、放っておけない。
できるまでやるのが当たり前になっている。
つまり、夢中だ。
努力は、「やらなきゃ」が出発点になりやすい。
夢中は、「やりたい」「気になる」「負けたくない」が出発点になる。
どちらが強いか。
長い目で見れば、夢中のほうが強い。
努力は、疲れる。
夢中は、疲れても続く。
努力は、誰かに言われて始まることがある。
夢中は、自分の中から勝手に湧いてくる。
だから強い。
とはいえ、
「夢中になれ」と言われて、すぐなれるものでもない。
最初は努力でいい。
無理やりでも机に向かう。
決められたことをやる。
反復する。
その先で、
「できるようになるのが面白い」
「前より解ける」
「負けたくない」
「もっと上に行きたい」
そう思えたら、努力は夢中に変わる。
そこまで行けたら強い。
勉強は、“やらされるもの”のままだと苦しい。
だが、どこかで火がつくと、一気に変わる。
努力は尊い。
でも、
努力は、夢中を超えない。

