昨日のハイレベル数学。
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複雑そうな図形から
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比を考える問題がホワイトボードに用意されていた。
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解説の時間となり、ちょっと聞いていた。
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どうも「メネラウスの定理」を使うらしい。
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ほー
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なかなか、強そうな頼りがいのある名前だ。
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伝家の宝刀的なすてきなお名前である。
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生徒のほうも、「メネラウスの定理」を使って答え出しましたと自信満々。
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この子達、やるなー、と微笑ましく見ていた。
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先生のほうも、「よしよし、よく使えたね」ということで
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相思相愛な関係が生まれていた。
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その後、メネラウスの定理が成り立つ根本的な説明まで加えるなど、さすがである。
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だがしかし…
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それを遠くで見ていた私は気づいてしまった。
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ある一本の線に。
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そして、おそらくその線については最後の最後、言及して、こんな解き方もあるよねといって、解説が終わることを期待していた。
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「じゃ、今日はこんなところで」
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は？
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おわり？
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居ても立っても居られず、つい、ホワイトボードに近づき、あの1本の線を書いてしまった。
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生徒の
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自信に満ちた顔は崩れ、
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ハイレベル数学担当の先生もあたふた…
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嗚呼、
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一本の線で、平和な世界をぶっ壊してしまった。
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ＫＹとはこのことか。
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申し訳ない、勝手に乱入して。
いや、あの顔は絶対私たちを見下していたなんて言わないで。
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いや、君たちは何も間違ってないんだ。
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自分の信じた道を突き進みなさい。
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メネラウス万歳！
