入試問題の設定を変えてみた! 保護者vs塾の先生

ある日、とある保護者が道で塾の先生と出会い、自分の子の成績を上げてほしいと頼んで別れた。その後、その保護者と塾の先生は再び出会った。

保護者が、塾の先生の袖を引き留めて、「私はあなたに頼むといったんですけど、その甲斐がないようです。ちゃんと指導なさっているのですか?」と怒って言ったところ、

塾の先生が言うには「ああ、あの預けてくれた日からいっときも休むことなく、お子様を指導してきましたよ」

保護者「あなたは塾の先生として、うそをおっしゃってますよ。あの日から成績なんて上がっていませんから」

それを聞いた塾の先生は、ちょっと考え事をして「急にのどが渇いてきて、仕方がないのですが」というと、

保護者は「ああ、ここに井戸がありますよ。縄をつけて入っていってください。飽きるまで水を飲んで、飲み終わったら引っ張り上げますから」と約束をし、塾の先生を井戸の中へ降ろした。

さて、塾の先生、たっぷり水を飲んで「上にあげてください」と頼むと、保護者は力を出して引っ張り上げるのだが、全く上がらない。

どうしたものかと、のぞきこんでみると、どうして上がることがあろうか、塾の先生、そばにある石にしがみついているのだった。

それを見た保護者は怒って「何やっているんですか。バカですか? そんなことをやっていたら、いくらこっちが引き上げようたって、無理じゃないですか。さっさと石から離れてください。そうしたら、簡単に引き上げられますから」と言った。

それを聞いた塾の先生、保護者に対して「だからですね、私がいくら一生懸命指導しても、こういうことがあるんですよ。どれほどすばらしい指導しても、悪念の石にしがみついていれば、つまり、お子様が勉強に全く気がなかったり、スマホやらゲームやらにどっぷりはまって、そこから抜け出そうとしない限り、成績向上なんて見込めないんですよ」と言ったのだった。

さて、その保護者、もっともなことだと思い、家庭でのしつけなど家でやれることをしっかりやったのだった。その後、その子の成績はどんどん上がっていったということだ。

2020年神奈川県入試 改

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