定期試験の点数を上げる方法はある。
学校ごとの過去問を集めることだ。
先生によっては出題パターンがかなり似る。
特に近年重視されている「思考・判断・表現」の問題などは狙い目である。
本来は考える力を見るための問題だが、過去問を見ていると、
「あれ? 去年と似ているな」
ということもある。
資料の読み取り。
理由説明。
記述問題。
これらも過去問や類題を何度も見ていれば、それなりに書けるようになる。
思考力を使ったのか。
それとも記憶力を使ったのか。
その議論はここでは置いておこう。
とにかく点数は取れる。
実に効率的である。
ただし、この方法には大きな欠点がある。
勉強の仕方を間違える。
ここが厄介だ。
問題を見た瞬間、
「どこかで見たことないかな」
と探すようになる。
本来やるべきことは違う。
「どう考えれば解けるかな」
である。
定期試験はそれでも何とかなる。
しかし、入試になると話は別だ。
入試会場に学校の先生はいない。
去年の定期試験もない。
見たことのない文章。
見たことのない資料。
見たことのない問い。
そこで必要なのは、
過去に見た問題を思い出す力ではなく、
初めて見る問題を解く力である。
間違った勉強法で点数が取れてしまうのが一番怖い。
なぜなら、
「このやり方でいいんだ」
と思ってしまうからだ。
そして模試になる。
思うように点数が取れない。
入試問題になる。
さらに苦しくなる。
そこから勉強法を修正するのは簡単ではない。
長年染みついた考え方を変えなければならないからだ。
歩実塾では定期試験の過去問は扱わない。
楽に点数を取る方法があることは知っている。
それでもやらない。
生徒に身につけてほしいのは、
「見たことがある問題を解く力」
ではなく、
「見たことがない問題を解く力」
だからである。
楽な道を教えるのは簡単だ。
だが、それで入試は突破できない。

