変わる英語教科書

来年度の中学校の英語の教科書が大きく変わるらしい。

①現在完了進行形
②仮定法
③原形不定詞
この3つ、これまで高校で習う範囲だったのが、中3で学習するようになる。
これに連動して、中3で学習する「現在完了」は中2に移動したりして、結局のところ文法の負担が増えそうだ。
さて、以下に示すのはベネッセがかつて実施した英語のどこで悩んでいるかのアンケート結果だ。
文法が難しい 78.6%
英語のテストで思うような点数がとれない 72.7%
英語の文を書くのが難しい 72.0%
英語を聞き取るのが難しい 65.8%
単語を覚えるのが難しい 62.9%
英語を話すのが難しい 59.6%
英語に限らず自分からすすんで勉強する習慣がない 53.7%
外国、異文化に興味がもてない 44.8%
英語の文を音読するのが難しい 44.7%
10 英語そのものが嫌い 43.9%
以上の結果は2009年のものだが、その後同様のアンケート結果(2014年)を見ても大した変わりはない。
アンケートの悩み第1位が英文法に関するものであるのは興味深い。
コミュニケーション重視で、文法がやり玉に挙げられ、中途半端に文法を扱った結果がこれではないだろうか。
さて、内容が大幅に変わり文法の負担が増える新しい教科書のもと、丁寧に文法は扱われるのだろうか。
 
答えは否。
なぜか?
昨今の英語学習は「4技能」の大合唱だからだ。
これは「読み・書き」中心の学習ではなく「読み・書き・聞く・話す」を重視しようとするものだが、結局のところ、コミュニケーション英語の別名に過ぎない。
「聞く・話す」に時間を奪われ、その分、文法の説明はないがしろにされ、生徒はもやっとした説明に、なんとなくの理解ですすんでいく。
そして、いつの間にか分からなくなっていた。
こんな生徒が今後はもっと増える可能性が高い。
文法のみならず、新たに学ぶ単語の数もこれまでの1.5倍になるという。今3年間で1300語程度だから、新しい教科書では2000語くらいになる計算だ。
大変だ、大変だ~といって、英語学習を煽る塾もたくさん出てくるだろう。4技能が叫ばれはじめて、小学生のうちからやらないと出遅れると煽ってきた塾はいくらでもあったから。
本当かな、と思う。
早けりゃいいというものではない。
大事なのは、アンケートにある悩みに真摯に対応することなのではないだろうか。
1.文法を徹底して教えること。
2.重要文法を含んだ英文は暗記させること。
3.単語の暗記をおろそかにしない。
4.理解した英文の音読を繰り返す。
以上の4つを徹底しさえすれば、英語の教科書がどうなろうと、おそらくびくともしない実力がつくし、英語の本格的な学習は中学に入ってからでも遅くはないといえる。
英語がちんぷんかんぷんになったあと、中2, 3から修正するのはさすがにきつい。中1辺りから丁寧に学習するのをおすすめする。
※単語がこれまでの1.5倍になるといっても、私立中学で使われている非検定教科書「プログレス」や「ニュートレジャー」に比べると少ない。非検定教科書3冊で3000語は軽く超える。
 
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